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老いても地域で、在宅で暮らすためには?
      

今月号の特集は「老いても地域で、在宅で―超高齢社会をどうデザインするか―」。

65歳以上の人口は3074万人で、初めて3000万人を突破、総人口に占める割合は24.1%で過去最高を更新したという。昭和22年生まれの「団塊の世代」も、今年65歳となり「高齢者」の仲間入りを始めた。団塊世代は今後続々と65歳になる。ほぼ4人に1人が65歳以上となった超高齢者社会を、どうデザインして生きていくかが問われる時代となった。 家族とともに老後を暮らすのか、老人ホームに入るのか、住み慣れた自宅に一人で住み続けるのか、介護や生活支援が必要となったときの住まいは、認知症になったときは?etc。老後をどう生きていくのかは、「高齢者」と呼ばれる世代になると、必然的に考えさせられることが多い。今回の特集では、「高齢者」世代の暮らし方にスポットを当て、さまざまなケースを紹介した。 介護や生活支援が必要となった高齢者が安心して自立した生活ができるよう配慮した「サービス付き高齢者住宅」、施設と施設以外の利用者とを結ぶ場として各地で人気を集めている、高齢者施設に併設されたカフェ、高齢者が利用しやすいコンビニの移動販売やデパートの宅配、大人用紙おむつなどアクティブ・シニア向けの商品の急増など、国や自治体、企業が、住まいから日常の生活まで、高齢者をターゲットにしたさまざまな新しい試みを始めているようだ。

老後の問題は、日本だけではなく海外でも大きなテーマだ。フランスでは、一人で暮らせなくなった高齢者を一般家庭が受け入れる「受け入れ家庭制度」を実施している疑似家族や、空き部屋を学生に格安で賃貸して、一緒に暮らす「異世代同居」など実施されているようだが、フランスならではの試みだ。日本でもシングルマザーのシェアハウスなどの動きが出ているようだが、一方で深刻なのは高齢者の貧困と孤独の問題である。大阪市西成区の生活保護を受けている人の4割が近所づきあいがないとのことだが、何とか自力で生活している一人暮らしの高齢者も、圧倒的に多数が近所との付き合いもなく、孤独を抱えて生きているのではないだろうか?

                                              編集長・内田ひろ子